C.W.ニコルさんに聞く(第2話)

C.W.ニコルさんと、森でおにぎりをいただきました。

アファンの森は、生態系をそのまま残す箱船のような森でした。

 ペンションで、ニコルさんを囲んでの楽しい夕食会の翌日。ニコルさんたち「アファンの森財団」が育ててきた森に、ニコルさんを訪ねました。一緒に、森の中でおにぎりをいただきながら、お話を伺うためでした。ニコルさんは、炭焼き小屋の前で柔らかな笑顔を浮かべながら私たちを迎えてくれました。森の中にたたずむニコルさんは、まるで熊のように静かで思慮深く、そしてチャーミングでした。

 でも私たちスタッフの服装を見てちょっと不機嫌に。「黒い服はダメだよ。スズメバチにねらわれるよ」。スズメバチは、クマなどの大きな哺乳動物の弱点である瞳や耳の穴など黒い部分を攻撃する習性があり、黒い服はスズメバチの格好の攻撃目標になるからです。また半袖の人にも注意が。ブヨに刺されないように虫除けのアロマを塗って、ズボンの裾を靴下にしまうなど、ようやく森に入れる装備となりました。

 

C.W.ニコルさんに聞く(第2話)  C.W.ニコルさんと、森でおにぎりをいただきました。

森でおにぎりをいただきました。ごはんのおいしさがゆっくりと愉しめました。

 森を歩きながら、ニコルさんはアファンの森について丁寧に説明をしてくれました。「この森は、僕たちが少しずつ買い足して広げていった森です」「はじめの頃は、手入れされていない荒れ放題の森でした」「この森はほんとうに死にかけていましたよ」「そんな森に、川をつくり、池をつくり、病気の木を伐採しながら、森の手当をしてきたんだ」
そう、ニコルさんは生態系を残す箱船のように、森を育ててきたのでした。

 そんなニコルさんの森で、私たちはおにぎりをいただきました。おにぎりは三洋電機の「匠純銅おどり炊き」で、炊いたごはんを、塩だけでにぎった、しろおにぎりです。さめてもごはんのおいしさを逃さないという、商品の大きな特徴をみんなで確かめるためです。ニコルさんは「ごはんだけなの、中になにもはいっていないの」と少し不満そうでしたが、食べ始めると、ペロリと2個を完食してくれました。もっとも最後まで「タラコとか納豆とかないの」と笑いながら抗議していましたが。「ごはんは、おいしいね」とほめて頂き、ホッとひと安心です。私たちスタッフもみんなでおにぎりを食べながら、笑いの絶えないシアワセなひととき。森の空気の味と、お米のおいしさが愉しめました。

C.W.ニコルさんに聞く(第1話)  C.W.ニコルさん、ごはんは好きですか?

22歳で初めて来日してからの2年間は食の冒険でした。

 おにぎりをいただきながら、ニコルさんは、お米の文化について語ってくれました。「僕たちがいまこうして食べているお米というのは、ただの白いつぶつぶじやないよ」「米というのは、イナゴやトンボやカエルもすべてのモノがお米の中に入っている」「水田でお米をつくるという、日本の文化がこめられているんだ」と。

 確かに、日本列島の環境は弥生時代に水田耕作を始めてから大きく変わったといえます。私たちが当たり前のこととして見ている田園風景は、人間が作った環境です。そして、私たち日本人はともすればそのことに鈍感になってしまっているのだと気づかされました。  水田の持つ保水能力がどれだけ、日本の自然を守ってきたのか、そして水田で生きる生物たちがどれだけ日本の生態系をゆたかにしてきたのかということ。そのことを思い出させてくれるのが、美味しいごはんではないでしょうか。
 「僕は、どんなお米だって食べますよ。カリフォルニア米だって、インディカ米だって。でも日本にいる間は美味しいお米を食べたい」「日本のお米が美味しいのは、けんめいにお米作りにこだわってきた人の手があるからです。それを今度は、美味しく炊くためのこだわりの文化で炊きあげる。だから、このおにぎりは美味しいんですよ」

 ニコルさんにならっていうならば、私たち三洋電機がお届けする炊飯器も、ただのお米を炊く機械ではない。日本の歴史であり文化であるお米を、日本ならではのこだわりで炊く道具。そういう意味での匠の技を伝える道具であると、すこし自信を持って伝えたいなぁと思いました。