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ピンクのシャツにエンジのネクタイ、涼しげに登場の清水マネージャーは三洋電機
AVソリューションズカンパニー デザイン部のマネージャー。カプージョ開発プロジェクトではその立ち上げから関わった中心人物である。まっすぐに目をみて話す様子はいかにも切れ者、という感じ。まずは、プロジェクトの出発点から聞いてみた。
■テレビに個性を
出発点ですか。
テレビのあり方そのものから考えていきました。
いままでテレビは、インテリアの中心として、また生活の中心として、こうあらねばならないという固定概念があり、シンプルでクールなデザインばかりが追求されてきました。その結果、お客様がお店で見ると「どこのメーカーのテレビも似ている。」という状況になってきています。
液晶やプラズマといったフラットテレビが主流になってきた今、「テレビとどう暮らすか」ということをもう一度捉え直したとき、テレビそのものに個性があり、愛着の持てるようなものがあってもいいんじゃないか、もっといろいろな選択肢があるべきではないか、と考えるようになりました。
テレビの画面が消えていても、ちゃんとそこに存在するテレビ、それも「ある」ではなく「いる」テレビを目指したんです。
なんだかむずかしい。「ある」ではなく「いる」テレビってなんのことだろう? |
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■「ある」から「いる」へ
いや、むずかしいことはありません。
静的なものから動的なものへ、より体温を感じるものへ・・・、そうですね。たとえばペットのように愛着がもて、いつでもそばにいてほしくなる、見るたびにかわいくなっていくような存在のテレビ、という感じ。「機器」ではなく血の通ったものというイメージです。ペットの猫は「ある」とはいいませんよね。
テレビを見るという行為は、和んだり、楽しんだりする要素が非常に強いですよね。テレビの存在自体もただそこにあるだけのものから、もっとデザイン的に主張する、ひとにより近い存在になっていいはずだと考えました。そしてそれをお客様が自分の感性で選択する、ということが大切ではないでしょうか。
なるほど。「ペットのようなテレビ」とはわかりやすい。いま、電気屋さんのAVコーナーには大型のフラットテレビがわがもの顔で並んでいるが、そこにペットのミーちゃんみたいなテレビがあったら、これは面白いに違いない。
新しいテレビのあり方を模索する、それは新しいデザイン開発を意味していた。見た目の変化は最もわかりやすい主張としてプロジェクトの最優先課題となる。そして登場するのが、デザイナー グエナエル・ニコラ氏である。
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■優しさと透明感
私の頭のなかには、以前からこれが大切だと思う言葉があったんです。
それが「優しさと透明感」。
この言葉は先に述べた考えの原点になるものなんですが、それは単に仕事をする上でひねり出したものではなく、机に向っているときだとか、ショッピングをしたりフィッシングをしているときだとか、日常生活の複合体として自分のなかで少しずつ育まれてきたものなんです。
なんだかうまくいえませんが・・・、結局、私にないものを求めていた、ということでしょうか。(笑)
もちろん、大きな時代の流れはそれを求めているという確信がありましたので、この言葉「優しさと透明感」をキーワードとしてデザイン開発を進めました。
こうして始まったデザイン開発だか、清水マネージャーの独創性と高い要求を形にできるデザイナーはそうそういない。
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■ニコラ氏とのコラボレーション
今回は外部のデザイナーも視野に入れ、いろいろと探しました。
そして、最終的に二コラさんに巡りあったんです。
ニコラさんについては以前から知ってはいたんですが、改めて今までの作品を見ると、今回
のキーワードにまさにピッタリなんですね。すぐに事務所を訪ねて、お話を伺ってみると、とてもフランクで穏やかな方でした。それに「優しさ」だけではなく、同時に「強さ」も必要だと話される内容にこころから共感しました。もう直感的に、このひととなら自分たちの考えているもの、三洋電機らしいものが創れると思いましたね。
グエナエル・ニコラ氏はフランス生まれ。パリ、ロンドンでインテリアデザインなどを学び、
英国王立芸術学院を卒業後に来日。以後日本を活動の拠点に、店舗デザイン、家具デザイン、香水・化粧品パッケージデザインなど、幅広い領域で活躍し、高い評価を得ている。
ニコラさんはソファなどのインテリアデザインや化粧品などのパッケージデザインなどを
多く手がけておられますが、プロダクトデザイン、つまり電気製品のデザインは少ないんです。しかし、彼は「デザインはその商品の向こう側にあるものまでが見えてくるよ
うなものでなくてはならない」と言います。その意味ではプロダクトであってもそうでなくても、関係ないわけです。逆に彼の豊富な経験が、プロダクトデザインの枠を越えた発想を生み、かえって良かったと思いました。
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