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プラズマテレビ/液晶テレビ
合言葉は「つるるん」 デザインは革新へ
ここに、ニコラ氏とのコラボレーションが始まる。清水マネージャーの想いがニコラ氏に渡り、そこにニコラ氏の想いが重なる。
デザインの微妙な良し悪しは個人的な感覚によるところもあり、言葉で説明しきれないものだけに、軌道にのるまでが大変。 さて、カプージョデザインの顛末やいかに?
 
繭(まゆ)のように

基本のデザインはすぐに決まりました。今ご覧いただいている完成品とは大きくは変らないものです。
コンセプトは「繭(まゆ)」。ひとを包み込むような優しさを表現したものです。
テレビというものは、一人で見ていても家族で見ていても、そのひとからすると1:1の関係で、常にひととテレビが向き合っていますよね。だから、見ているものが包み込まれるような、そんな安心感のあるテレビにしたかったんです。名前のCAPUJO[カプージョ]もこの繭(スペイン語でcapullo)からヒントを得た造語なんです。


このあたりから清水マネージャーの独壇場。カプージョデザインの話になってくると、もう止まらない。
■合言葉は「つるるん」

見ていただくとわかるんですが、前から見てもうしろから見ても「つるるん」としていてとても和める形でしょう。そのうえ横から見るととてもシャープで、薄さ感をしっかりと確保しています。これは大胆なまでの大きなアール(湾曲率)を使うことにより「つるるん」として、しかもキレのある形になっているんです。
私はこの「つるるん」という言葉がとても気に入っているんですよ。この言葉はニコラさんから出たキーワードなんですが、普通、最先端をいく高性能フラットテレビのコンセプトワードですから、とてもハードでクールなカタカナ言葉なんかを想像しがちですよね。それが「つるるん」ですよ。おもしろいですよね。
■陶器のあたたかさ

同じように、ニコラさんの言葉を借りれば、「陶器」というモチーフがあるんです。このあたりの縁の部分がちょうど陶器をひねったような感じになっているでしょう。これは陶器の持つあたたかさと強さをイメージしているんです。薄型のみを競う従来のフラットテレビでは考えられないことですよ。

清水マネージャー、なんだかテレビを撫ではじめた・・・。

カラーは17V/23Vはパールホワイト、42Vはパールホワイトとメタリックシルバーです。どちらの色も光を反射し陰影をほどよく付けるので、効果的に形を表現してくれます。全体のボリューム感や包み込むようなカーブをきっちりと見せ、なおかつ心地よいトーンを保つ。コンセプトとの統一感と単色のもつインパクトも大切にしました。


Vシェイプ

スピーカーについてはボトムスピーカーを採用しています。両翼にスピーカーがついたものは横長で確かにスリムに見えたり豪華であったりするんですが、限られた部屋のスペースを考えた場合、スピーカーが下に位置する形がよいと考えました。さらにこれをスッキリ見せるために、Vシェイプラインで軽やかさを出しています。


話が、終わらない・・・。
しかし、それにしてもかなりのこだわりようが伺える。細かなところまで徹底的に考え抜いているわけだ。


そうですね。ただ、自分の性格としては、細かい面とおおざっぱな面が極端にあると思いますね。「なんでそんなところまで・・・」とよくいわれます。(笑)
ニコラさんもそうですね。何度も何度も修正案を出してこられました。それもぎりぎりまで。限りなく自分の理想に近いものに仕上げたいというこだわりには頭が下がる思いです。

今回のデザインはある意味では、一般的な流れに逆らっているとも、いえなくはないんです。これはちょっとやりすぎじゃないか、という人もいましたが、テレビの概念を変えるのであれば、私は、とことんやるべきだと感じました。


Vシェイプライン
 譲れない一線 デザインと性能の融合、そして今後へ
液晶パネルイメージ ここでカプージョの性能についてすこし触れてみよう。
まずは、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを内蔵していること。デジタル新時代のテレビとして、これらのチューナーは今や不可欠となっているが、20型以下で内蔵タイプはカプージョだけである。
※2004年8月6日現在、地上デジタルチューナー内蔵液晶テレビにおいて。(当社調べ)
また、さまざまな映像信号をフルデジタル処理する高画質VIZONエンジンを搭載。標準画質の地上アナログ放送、DVDやVTRからの映像信号を高精細に表現することができる。さらには最高クラスの高輝度パネルが映像美を引き立てる。

このような高性能、高機能を保ちながらのデザインワーク。当然、一筋縄ではいかなかったと想像できるが・・。
■放熱孔のないテレビ?

地上・BS・110度CSデジタルチューナー内蔵で20型以下のものをつくる。この業界初の試みをやろうというのが前提条件ですから、いくらデザイン性高くといえども、それは両立しなくては意味がありません。そのあたりの基本的なスタンスについては、我々はもちろんのこと、ニコラさんにも理解いただいてましたので、大きなデザイン上の問題はありませんでした。ただそれ以外のところでは、いろいろとやり取りをしましたね。
例えば、放熱孔。テレビの後ろなどには内部の熱を逃がすための通気孔がありますが、最初に出てきたラフデザインにはそんなものはまったくなかったんです。ねじ穴もなんにもない、それこそ「つるるん」です。ニコラさんとしては余分な要素は一切必要なかったわけです。しかし製品化するうえで、そうもいかないところもありますので、このあたりはもう、ほんのちょっとしたことでも何度もやり取りをしました。さすがに放熱孔については「これがないと燃えてしまいます」と説明し、取り付けるようにしましたが。(笑)
しかし、ニコラさんは製品としてのテレビのデザインがはじめてだったので、たとえば放熱孔という既成概念がそもそも頭の中になかった。だからこそ、この「つるるん」が生まれてくることが出来たといえるかもしれません。


最後にカプージョの今後は? そしてコラボレーションは?



世界は広い!

「優しさ・透明感」といった基本コンセプトを継承しながら、カプージョをひとつのシリーズとして成長させていきたいと考えています。もちろん継承しながらも新しいものを付加していく作業が必要ですが。
さらにこのシリーズを超えたところでも、この進め方、つまりコラボレーションについてもステップアップさせていきたいと考えています。

先日、ニコラさんとお会いする機会がありまして、「世界は広いですよね」という話をしました。カプージョは日本市場向けをメインにしていますが、三洋電機とニコラさんがコラボレーションした商品で、いつか世界の人々が喜んでくださればすばらしい、と思っています。


清水マネージャーとニコラさん、直接会って話したのは、開発プロジェクト全体からいうと、さほど多くの時間ではなかったという。そして、そのとき話したことよりも、とても楽しい時間を過ごしたという記憶の方が鮮明に残っている、と清水マネージャー。言葉や方法論を越えたところで、2人はアプローチし、理解しあっていたようである。

こちらとしても清水マネージャーの話は大変楽しいものであった。明確な受けこたえに、最初は「怖いひと?」の印象もあったが、それはまもなく打ち消されていく。デザインの話が進むにつれ、次第にニコニコ、いやデレデレに変わっていく様子に、このデザインに対する並々ならぬ惚れ込みようがうかがえた。
電気屋さんのテレビコーナーに、時代を変えることになるであろうその姿を見にいくのが、私も楽しみになった。



 
   
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