「最初は、自動販売機でした。
1987年、皆さんがよく知っているカップ式自動販売機(SVM-KCS1500)の衛生保持に電解水を応用したのが、三洋電機の電解水技術のはじまりです」
業務用から家庭用まで、三洋商品の技術開発に携わってきた黒河圭子が述懐します。
「それ以来、大きなものではプールの水の浄化システムや、皆さんになじみのあるところでは2001年、全自動洗濯機(ASW-ZR700)の“洗剤ゼロコース”など、様々な商品を送り出してきました。“洗剤ゼロコース”は、“水をきれいにしたい”という洗濯機開発グループの願いが生み出したものです。弊社の洗濯機部門の工場は、日本一の広さを持つ琵琶湖のそばにありますから」(黒河)
「洗剤ゼロコース」は、その名のとおり洗剤を使わず、水道水から作り出された電解水だけで衣類のシミや臭いを取る洗濯コース。2001年の発売時には、大きな話題となりました。
「あの製品で電解水のすぐれた効果を知った洗濯機のお客様から、こんな声をいただいたんです。“衣類を洗濯できるなら、空気は洗濯できないの?”
この声にアイデアを得、私たちの次の研究開発の方向性が明確になりました」(黒河)
電解水という技術を柱に、次々と商品を生み出してきた三洋電機。
でも、その道のりは必ずしも楽なものではなかったようです。
「水を電気分解するための電極に、どういう材質のものを、どのように使うか。また、それをユニット構成したときにどういった効果の違いが現れるのか。その技術開発を各部署と横断的に検証しながら開発していきました。まさにトライ&エラーの繰り返し」(黒河)
「とくに初期のころは、最も効率のいい電解の条件を探るのに苦労していました。海水のように塩素の濃度が高い水から電解水を作り出す技術は以前からあったのですが、我々としてはもっと身近な水道水を取り扱いが簡単なカタチで利用したい。そのあたりのハードルを乗り越えるのが大変でした。しかし、お客様に喜んでいただける商品を提供したいという共通の目標を皆が持ち、お互いの技術領域・商品を超えての協同開発があったからこそ、今ではそれが三洋電機の独自のノウハウとなり、幅広い商品化へと発展していったのです」(樂間) |