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EPISODE 4-2 除菌エレメント方式の話

あくなき「水」へのチャレンジ

除菌エレメントとともに、開発で苦労したことがもうひとつあると山本は言います。
それは、電解水を作る元となる「水道水」そのものでした。


「水道水には塩化物イオンが含まれており、その塩化物イオンが電解水を生成するポイントとなります。でも、一口に水道水と言っても、実はその濃度は全国でかなり違うのです」(山本)


日本に住んでいる限り、蛇口をひねって出てくる水の成分なんてどこでも大して変わらない……と思っていましたが、それは違うようです。


「電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度は少なすぎては効果が期待できませんし、かといって濃すぎても困ります。ウイルス抑制や除菌などの用途に最適な濃度を常に保つため、きちんと制御しなければなりません。ここで問題となるのが、実は地域による水道水の成分の濃度の違いなんです。全国には約5000ヶ所余りの浄水場があり、成分の濃度は千差万別。特に電解水の原料となる塩化物イオンの濃度は、水道水として不要な成分が含まれている水質を利用している地域ほど、水道水の衛生的安全性を確保するため、添加する塩素の量を多くしており、結果的に塩化物イオンの濃度も高くなっております。比較的都市部が多いです。逆に水源に近いような、あまり水道水として不要な成分を含まない水質では、添加する塩素の濃度は比較的少なく、結果的に塩化物イオン濃度も低くなっております。
ですから、全国どこの水道水でも使えるように制御するには、全国の水道水のデータが必要になってきます」(山本)


地域ごとに異なる水質(水道水)への対応。日本中の水道水を集めて回ったりしたのでしょうか?


「我々は“洗剤ゼロコース”搭載の洗濯機を開発する時に、すでに実際に全国から水道水を集め研究していましたから。三洋電機にはデータの集積と検証、そしてノウハウという財産があります。とはいえ、安定した電解水を生成する技術の確立は苦労の連続です。例えば同じ地域の水道水であっても、運転していくと水の蒸発により電解水の原料である塩化物イオンが濃縮され濃度が変化しますから、それに合わせて電解状況をコントロールしなければなりません。お客様が使い続けるのに、ソフトウェア的な制御が必要になるということです」(山本)


それは、絶え間のない電解水との格闘のように思えます。


「日々、装置につきっきりの研究ですから、電解水の濃度を非常に高くして試験した場合でもだんだん鼻がマヒしてきて自分では塩素臭が気にならなくなってくるんです(笑)。人には『カルキ臭い』なんてよく言われていました。ただ、良かったのは、全然風邪をひかなかったこと。こういう研究は期限があるものですから、それこそ集中している時期は子供の起きている顔を見る暇もない。朝早く出社して、夜遅くまで研究の毎日です。当然、疲れもかなりたまってきましたが、それでも風邪をひかなかったのですから驚きです。電解水のおかげかな(笑)」(山本)

主任 山本哲也

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